「頬がこけた」と言われた45歳女性へ、歯の喪失と顔の変化を解説|倉敷市八王寺町の歯医者|山脇歯科・矯正歯科

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「頬がこけた」と言われた45歳女性へ、歯の喪失と顔の変化を解説

「頬がこけた」と言われた45歳女性へ、歯の喪失と顔の変化を解説

友人の何気ない一言から気になり始めた、口元の変化


久しぶりに会った友人から「少し頬がこけた?」と言われ、自撮り写真を見返してほうれい線の深さに気づく。そんな経験から、数年前に抜いたままの奥歯が頭をよぎる方は少なくありません。歯の喪失と顔立ちの変化には、骨と噛み合わせを介したつながりがあります。この記事では、その仕組みと確認の手がかりを整理します。


この記事の要点まとめ


  • 歯の喪失や噛み合わせの低下により、顎の骨や口元の印象に変化が生じる場合があります。
  • 抜歯後の経過や噛み癖の影響には個人差があるため、立体画像等による現状把握が役立ちます。
  • 補綴治療や矯正など複数の選択肢があり、生活に合わせた段階的な相談が可能です。

歯を失うと顔が変わるのはなぜか、骨と噛み合わせの関係

歯を失うと顔が変わるのはなぜか、骨と噛み合わせの関係

顔の輪郭は皮膚や脂肪だけで決まるものではなく、その下にある骨と歯列が土台になっています。歯を失うと、この土台側から変化が始まります。


歯を支える骨(歯槽骨)は歯を失うとどう変わるか


歯の根を包んでいる骨は歯槽骨と呼ばれ、噛む力を受け止めることで形を保っています。歯が失われると力が伝わらなくなり、骨は幅と高さを減らしていきます。抜歯後の骨の寸法変化をまとめた系統的レビューでは、治癒過程で歯槽堤の幅は高さよりも大きく減少し、変化の多くは抜歯後6か月以内に生じると報告されています1。つまり、輪郭に関わる土台は比較的早い段階から動き始めるということです。


噛み合わせの高さが下がることで頬や口元に起きる変化


上下の歯が噛み合ったときの顔の縦の長さを咬合高径と呼びます。奥歯が減ると噛み合わせを支える柱が少なくなり、残った歯への負担が増えて、歯のすり減りや傾きから高さが下がることがあります。高さが下がれば口元は相対的に縮み、頬の張りが乏しく見えたり、ほうれい線やマリオネットラインが目立ちやすくなります。口腔の健康が食生活や生活の質に関わることは、公的な健康情報でも整理されています2。


「抜歯後に痩せた」と感じる人が多い理由


「抜歯してから痩せた気がする」という声は珍しくありません。体重が落ちたというより、骨の吸収と、それに伴う歯ぐきや頬粘膜といった軟らかい組織の落ち込みが重なって、顔の陰影が変わって見えている場合があります1。加えて、噛みにくさから柔らかい食事に偏り、咀嚼に使う筋肉の使用量が減ることも影響しうる要素です。見た目の印象は複数の要因が重なって生まれるため、原因を一つに決めつけず確認していく姿勢が役立ちます。


放置した期間で変わる進行度合いとセルフチェックの視点


「もう何年も経っているから今さら」と感じる方もいますが、期間によって何が起きているかを把握できれば、次の一歩は選びやすくなります。


放置期間別に見る骨吸収と輪郭変化の目安


抜歯後の骨の変化は一定のペースで続くわけではなく、初期に大きく動いてから緩やかになる傾向が示されています1。大まかな目安としては、数か月の段階では骨の幅の減少が中心で、外見の変化として自覚されることは多くありません。年単位になると、隣の歯の傾きや噛み合う相手の歯が伸びてくる変化が加わり、噛み合わせ全体のバランスに影響が及びます。変化の速さには個人差があるため、期間だけで自己判断せず、画像検査で現状を確かめることが判断材料になります。


顔の左右非対称や顎の違和感から気づくサイン


片側だけ歯を失うと、無意識に反対側で噛む癖がつきやすくなります。使う側の筋肉が優位になれば、顔の左右差として感じられることがあります。鏡の前で確認したいのは、口角の高さの差、食事のときに噛む側が偏っていないか、顎を開け閉めしたときの音や引っかかりです。顎関節の違和感が続く場合は、噛み合わせ以外の要因も含めて歯科医院で確認しておくと安心につながります3。


「奥歯1本くらいなら影響しない」という誤解について


見えない位置にある奥歯は、失っても日常生活に支障を感じにくい部位です。ただし奥歯は噛む機能において重要な役割を担っており、1本欠けるとその力が前方や反対側へ振り分けられます。負担が集中した歯は、すり減りや歯周組織への負荷が増えやすくなります2。骨の吸収も欠損部から進むため、1本の欠損が結果として複数の歯の環境に関わってくる、という見方をしておくほうが現実に近いといえます1。


骨と輪郭を守るために検討できる歯科治療の選択肢


欠損を補う方法は複数あり、骨への働きかけ方がそれぞれ異なります。ここでは一般的な情報として特徴を整理します。なお、インプラントや自由診療の矯正治療は公的医療保険が適用されない自由診療にあたり、外科処置を伴う場合は腫れや痛み、感染などのリスク・副作用が生じる可能性があります。


インプラントが骨への刺激を保ちやすいとされる理由


インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め、その上に人工歯を装着する方法です。噛む力が人工歯根を通じて骨へ直接伝わる構造のため、骨への刺激が保たれやすいと考えられています。臨床研究では埋入後の骨の高さの変化が評価指標として用いられ、表面性状などの条件による違いが検討されています4。ただし適応は骨の量や全身の状態によって変わり、埋入後は定期的なメンテナンスを継続することが長期経過を左右します。


入れ歯・ブリッジを選ぶ場合に知っておきたい骨への影響の違い


部分入れ歯は歯ぐきの上に力が乗る構造で、骨の内部へ直接刺激が伝わるわけではありません。ブリッジは両隣の歯で支えるため噛む機能は回復しやすい一方、欠損部の骨には力が伝わりにくく、吸収は進みうると考えられています1。どちらも保険診療で選べる場合があり、費用や通院回数を抑えたい状況では現実的な選択肢になります。


噛み合わせ全体のズレにはマウスピース矯正という方法もある


長期間の欠損で隣の歯が傾いている場合、その傾きを整えてから補う手順が検討されることがあります。透明なマウスピースを用いた矯正治療は、装置を取り外して清掃できる点が特徴です。適応できる範囲には限りがあるため、精密検査をもとに可否を判断します。


マウスピース矯正は公的医療保険が適用されない自由診療です。一般的な目安として、治療期間はおおよそ6か月〜2年半程度、通院回数は1〜2か月に1回程度で合計およそ6〜20回、装置を外したあとの後戻りを防ぐ保定期間として1〜2年程度が見込まれます。費用は検査・診断料としておおよそ2万〜5万円程度、装置代を含む総額でおおよそ40万〜100万円程度、治療後の保定装置(リテーナー)や定期確認料が別途かかることもあります。いずれも一般的な相場・目安であり当院の費用ではありません。実際の期間・回数・費用は歯並びの状態や医療機関によって異なり、当院の費用は診察のうえでご案内します。なお、装着時間が不足すると計画どおりに進まないことがあるほか、歯の痛みや違和感、粘膜の擦れ、歯根が短くなるなどのリスク・副作用が生じる可能性があります。


骨が痩せている場合に検討される骨を補う治療


骨の量が不足している場合には、骨造成(GBR法)や上顎洞底挙上術(サイナスリフト)といった骨を補う処置が検討されます。抜歯時点で骨の形を保つことを目的とした歯槽堤保存(リッジプリザベーション)についても、移植材を用いた臨床試験が報告されています5。いずれも外科的な処置を伴い、適応と経過には個人差があります。


倉敷市で相談する場合に知っておきたい通院と検査のこと


仕事や家族の介護と並行して通院する場合、何をどの順で確認するかが決まっていると負担感は変わってきます。


倉敷市内で歯科用CTによる骨の状態確認ができる医院を探す視点


骨の高さや幅は見た目や指先ではわかりません。平面のレントゲンに加えて、立体的に把握できる歯科用CTがあると、欠損部の骨がどの程度残っているかを確認しやすくなります3。当院では歯科用CT、パノラマレントゲン、口腔内スキャナー(iTero)を用いて、骨と歯列の状態を画像で共有しながらご説明しています。倉敷市内で相談先を探す際は、こうした検査設備の有無と、結果をどう説明してもらえるかを事前に確認しておくと比較しやすくなります。


介護や仕事と両立しやすい通院回数の考え方


通院回数は治療内容で大きく変わります。まず検査と説明で1〜2回、その後は選ぶ方法によって数回から十数回と幅があります。時間の確保が難しい事情は、計画を立てる前に共有しておくと組み立てに反映しやすくなります。すべてを一度に進めず、噛み合わせへの影響が大きい部位から段階的に進める考え方もあります2。


初診相談で歯科医師に伝えておくとよいこと


抜歯からおおよそ何年経っているか、気になっている部位、噛む側が偏っている自覚、顎の音や違和感。この4点が整理されていると、初回の説明がぐっと具体的になります。過去に歯科での説明に納得しきれなかった経験がある場合、その点も率直に伝えて構いません。まずは現状を画像で確認するところから始め、治療するかどうかは説明を聞いたうえで決める——その順番で十分です。


よくある質問


Q1. 抜歯してから数年経っていますが、今から相談しても間に合いますか?


A. 経過年数だけで判断はできません。骨の残り具合や隣の歯の傾き方によって選べる方法が変わるため、まず画像検査で現状を確認することが出発点になります。時間が経っていても検討できる方法はあります。


Q2. 「抜歯後に痩せた」と感じるのは気のせいでしょうか。


A. 体重の変化ではなく、骨の吸収や軟らかい組織の落ち込みによって顔の陰影が変わって見えている可能性があります。ただし加齢による変化など他の要因も重なるため、原因を一つに限定はできません。


Q3. 残っている根を利用する入れ歯(オーバーデンチャー)という方法を聞きました。


A. 状態の良い歯根を残し、その上に入れ歯を被せる方法が検討される場合があります。根が残ることで骨への刺激が保たれやすいとされますが、根の状態や清掃のしやすさによって適応は分かれます。


Q4. 舌の力(舌圧)は歯の欠損と関係がありますか。


A. 噛む機能が低下すると食事内容が柔らかいものに偏りやすく、口腔周囲の筋機能に影響が及ぶことがあります。舌圧の測定は口腔機能の評価項目の一つとして用いられています。


Q5. 費用や治療期間はどのくらい見ておけばよいですか。


A. 保険診療の入れ歯やブリッジと、自由診療のインプラントやマウスピース矯正では大きく異なります。自由診療の場合、治療期間は数か月から2年半程度、通院回数も数回から20回程度と幅があります。記事内の金額・期間・回数は一般的な相場や目安であり当院の費用ではなく、実際の内容は医療機関や口腔内の状態により異なります。検査後の説明時にご確認ください。


参考文献


1. Couso-Queiruga E, Stuhr S, Tattan M et al. Post-extraction dimensional changes: A systematic review and meta-analysis. Journal of Clinical Periodontology. 2021. PMID: 33067890 / DOI: 10.1111/jcpe.13390

2. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth

3. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

4. Antal MA, Kiscsatári R, Braunitzer G et al. Assessment of a novel electrochemically deposited smart bioactive trabecular coating (SBTC®): a randomized controlled clinical trial. Head & Face Medicine. 2024. PMID: 38627712 / DOI: 10.1186/s13005-024-00426-0

5. Hussain AA, Al-Quisi AF, Abdulkareem AA. Efficacy of Autogenous Dentin Biomaterial on Alveolar Ridge Preservation: A Randomized Controlled Clinical Trial. BioMed Research International. 2023. PMID: 38179035 / DOI: 10.1155/2023/7932432


山脇 将貴

歯科医師


山脇歯科・矯正歯科

院長

山脇 将貴

▶ 監修者プロフィール

経歴
平成11年 岡山大学歯学部 卒業
平成22年 山脇歯科医院 承継
資格・所属学会
日本口腔インプラント学会
日本臨床歯周病学会
日本接着歯学会
OJ正会員