むし歯で根っこが残った歯はどうなる?抜歯後の治療と費用を解説|倉敷市八王寺町の歯医者|山脇歯科・矯正歯科

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むし歯で根っこが残った歯はどうなる?抜歯後の治療と費用を解説

むし歯で根っこが残った歯はどうなる?抜歯後の治療と費用を解説

根っこだけ残った歯、これからどうすればいい?


被せ物が外れたまま忙しさで受診を後回しにしていたら、歯ぐきが腫れてきた——そんな不安を抱えていませんか。根だけが残った歯(残根)は、痛みが落ち着いていても内部で感染が進んでいることがあります。 放置による影響、抜歯を検討する際の判断基準、抜歯後の治療と費用の目安を整理します。


この記事の要点まとめ


  • 根っこだけ残った歯(残根)は痛みがなくても内部で感染が進んでいることがあります
  • 根の状態や骨の支えによって、保存治療か抜歯かを総合的に判断します
  • 抜歯後はブリッジ・入れ歯・インプラントなど費用や特徴の異なる選択肢があります

むし歯で歯の根っこだけが残った状態(残根)を放置するリスク


むし歯が進行して歯冠(歯ぐきから見えている部分)が崩れ、根の部分だけが残る。この状態を「残根(ざんこん)」と呼びます。被せ物が外れた場所を治療しないまま時間が過ぎ、気づけばこうなっていた——決して珍しいケースではありません1


根の先に膿がたまる根尖性歯周炎と激しい痛み


残根では歯の神経(歯髄)がすでに壊死していることが多く、根管内が細菌の通り道になりやすいと考えられています。細菌が根の先端まで達すると、顎の骨の中に膿の袋(根尖病変)ができる根尖性歯周炎へ進むことがあります。体調を崩したときや疲れがたまったときに急に腫れ、脈打つような痛みが出るのはこのためです。痛みに波があること自体が、感染が続いているサインになり得ます。


周囲の歯ぐきや顎の骨への影響・隣の歯への波及


炎症が長引くと、歯を支える顎の骨が少しずつ吸収されていくことがあります4。骨が減った部分は、のちにインプラントなどを検討する際の条件にも関わってきます。さらに残根は歯垢がたまりやすく、隣の歯のむし歯や歯周病を招く一因にもなりがちです。噛みにくさから反対側ばかりで噛む癖がつけば、噛み合わせ全体のバランスにも影響が及ぶ可能性があります。


【よくある誤解】痛みが治まったから受診しなくても大丈夫?


「以前は痛かったけれど、今は落ち着いている」——これを治ったと受け取る方は少なくありません。ただ実際には、神経が働かなくなって痛みの信号が届かなくなっているだけ、という場合があります1。表面上は静かでも、根の先では感染が進んでいることがあるのです。「もう手遅れかもしれない」という思い込みが受診をためらわせることもありますが、状態の把握が早いほど選べる方法は広がります4。当院では歯科用CTとパノラマレントゲンで根の状態や骨の量を立体的に確認し、現状をお伝えしたうえで一緒に方針を考えています。


根っこが残った歯は抜歯が必要?残せるかどうかの判断基準

根っこが残った歯は抜歯が必要?残せるかどうかの判断基準

残根と診断されても、すべてが抜歯になるわけではありません。根の状態、骨の支え、噛み合わせの条件を総合して判断していきます。


歯を残せる可能性があるケースと保存治療法


根にひび割れがなく、長さと厚みが十分にあり、歯ぐきの上に健全な歯質がある程度残っているなら、保存を目指せることがあります。まず根管治療で内部の感染源を取り除き、土台(コア)を立てて被せ物(クラウン)へ進むのが基本的な流れです1。歯質が足りないときは、根を歯ぐきの上へ引き上げるエクストルージョン、歯ぐきや骨の位置を整えるクラウンレングスニング、いったん抜いて処置後に戻す意図的再植といった方法を検討することもあります。ただし適応は限られ、保険が使えるかどうかは処置の内容や材料によって変わります


抜歯を検討することになる具体的な基準


一方、根が縦に割れている(歯根破折)、むし歯が根の深部まで及んで健全な歯質がほとんどない、歯周病の併発で支える骨が大きく失われている。こうした状況では抜歯が選択肢として提案されます4。無理に残した場合、感染を繰り返して周囲の骨をさらに失う可能性があるためです。抜歯は残念な選択に映るかもしれませんが、隣の歯や顎の骨を守るための前向きな判断という側面もあります。


抜歯時の処置手順と術後の腫れ・痛みへの配慮


実際の処置では、局所麻酔を十分に効かせたうえで、根を分割するなどして周囲の骨への負担を抑えながら慎重に取り出します。所要時間は状態によりますが、単純なものなら10〜30分程度が目安です。術後2〜3日は腫れや鈍い痛みが出ることがあり、処方された鎮痛薬と抗菌薬で経過をみます。当院では患者さまに使用するすべての治療器具・機器を滅菌および消毒処理し、口腔外バキュームやクラスB高圧蒸気滅菌器を用いた感染予防に取り組んでいます4


抜歯後の治療選択肢(ブリッジ・入れ歯・インプラント)の特徴と費用


歯を失った部分をそのままにしておくと、隣の歯が傾いたり噛み合う歯が伸びたりして、噛み合わせが崩れていくことがあります4。抜歯後は何らかの形で補うことを前提に、生活スタイルと費用の両面から考えていきましょう。


保険診療でも作製できる「ブリッジ」と「部分入れ歯」


ブリッジは、両隣の歯を土台にして連結した被せ物を装着する方法です。固定式で違和感が少ないとされる一方、健康な隣の歯を整える必要があり、土台となる歯には負担がかかります。保険適用なら、3割負担でおおよそ2万〜3万円程度が目安です。部分入れ歯は金属のバネを隣の歯にかけて支える取り外し式で、隣の歯を大きく削らずに済みます。保険適用では3割負担で5,000〜1万5,000円程度が一般的ですが、着脱の手間や装着感には慣れが必要です。なお、残根を活かして入れ歯の安定を高める「オーバーデンチャー(残根上義歯)」という考え方もあり、根の状態によっては選択肢に入ります。


周囲の歯への負担に配慮する「インプラント」


インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する自由診療です。隣の歯を削らずに済むこと、独立して支えられることが特徴で、費用は1本あたり30万〜50万円程度が一般的な目安とされます。骨の量が足りない場合は骨造成を併用することがあり、その分の費用と期間が加わります。適応の判断には歯科用CTによる骨の評価が欠かせません。またインプラントは埋入して終わりではなく、定期的なメンテナンスがその後の経過を大きく左右します。糖尿病や骨粗鬆症などの持病がある方は、服薬内容を含めて事前にご相談ください14


治療期間中の食事や見た目への対応(仮歯の活用)


抜歯後は歯ぐきや骨が落ち着くまで一定の待機期間が必要になります。ブリッジや入れ歯は抜歯からおよそ1〜2か月、インプラントは骨との結合を待つため、埋入から上部構造の装着まで数か月かかることもあります。その間、前歯など見た目が気になる部位では仮歯や仮の入れ歯を用いて、会話や食事への影響を抑える対応を行います。当院では口腔内スキャナー(iTero)を活用し、型取りの負担軽減にも配慮しています。仕事や家事で通院時間を確保しにくい方も、来院間隔の調整についてどうぞお気軽にご相談ください。


よくある質問


Q1. 抜歯後の残根はどうするのですか?

A. 抜歯の際、根が細かく分かれていると、まれに一部が残ることがあります。骨の深い位置にあり、無理に取り出すと周囲への負担が大きいと判断された場合には、経過観察とすることもあります。腫れや違和感が続くようであれば、レントゲンで位置を確認したうえで対応を検討します。


Q2. 歯の根っこだけが残った場合、どうすればいいですか?

A. まずは歯科医院で根と骨の状態を確認するところから始まります。根に十分な長さと厚みがあれば根管治療から被せ物へ進める場合があり、破折や重度の歯周病があるときは抜歯を検討します。自己判断で放置せず、状態の把握を優先しましょう。


Q3. 親知らずの残根を放置するとどうなりますか?

A. 親知らずは歯ブラシが届きにくく、残根になると細菌がたまりやすい環境になりがちです。腫れや痛み、口臭の原因となるほか、手前の歯へ影響が及ぶこともあります。症状がなくても、一度状態を確認しておくことをおすすめします。


Q4. 歯科で難しい治療とされるのはどんな処置ですか?

A. 一概には言えませんが、根管が複雑に枝分かれした歯の再根管治療や、骨が大きく失われた部位への外科処置などは、繊細な技術と時間を要するとされます。CTなどによる事前の診査と、治療計画の共有が重要になります。


Q5. 抜歯を避ける方法はありますか?

A. 根の状態によっては、エクストルージョンやクラウンレングスニング、意図的再植など、保存を目指す方法を検討できることもあります。ただし適応には条件があり、すべての歯に行えるわけではありません。診査結果をもとにご説明します。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(口腔・歯の健康)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/teeth

2. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

4. 公益社団法人 日本歯科医師会 https://www.jda.or.jp/


山脇 将貴

歯科医師


山脇歯科・矯正歯科

院長

山脇 将貴

▶ 監修者プロフィール

経歴
平成11年 岡山大学歯学部 卒業
平成22年 山脇歯科医院 承継
資格・所属学会
日本口腔インプラント学会
日本臨床歯周病学会
日本接着歯学会
OJ正会員