失った歯の治療として注目されているインプラント。
日本でも多くの方に認知されている治療方法ですが、欧米諸国などに比べると、まだまだ認知度が低いのも事実です。
今回は海外ではどのくらい普及しているのか、日本での普及率について解説していきたいと思います。
海外での普及率を知ったうえで、思いとどまっていたインプラント治療を前向きに検討するきっかけになればと思います。
ぜひ参考にしてくださいね。
目次
■インプラント治療の普及率と認識
インプラントは失った歯の治療の1つとして選択されます。
その他、ブリッジや入れ歯といった治療方法もありますが、海外ではインプラントが第1選択とされることも。
ここでは日本と海外、インプラント治療の認識と普及率についてお伝えします。
◎日本のインプラント普及率
5年ごとに行われる歯科疾患実態調査(令和4年度)ではインプラント治療の普及率は3.2%で、未だに3%程度の割合になっています。
つまり国民およそ30人に1人がインプラントしているかどうか、という結果です。
またブリッジが32.9%、部分入れ歯で20.1%ですから、やはり抜けた歯の治療の選択として、保険適用できる治療法が人気ということもわかります。
◎海外のインプラント治療
では海外に目を向けてみましょう。
お隣の国、韓国は世界的に見てもインプラント治療している人の割合が高く、世界1位の普及率となります。
次に2位イタリア、3位スペインとヨーロッパ諸国が10位以内に入っています。
また、インドや香港などの経済大国であっても10位以下で、日本は14位に位置します。
■日本でインプラントが普及しない3つの理由
では、なぜ日本ではインプラント普及率が3%程度なのでしょうか。
理由として以下の3つが考えられます。
◎治療費が高額
インプラント治療の1番のネックは治療費です。
日本は国民健康保険が充実しているため、保険内でできる治療が最初に選択・提案されることが多いのではないでしょうか。
インプラントは保険が効かない自由診療となり、インプラント1本に対し20-30万円程度かかります。
また、骨造成や歯肉移植、治療後のメンテナンスなど他の治療も必要になれば、これ以上の費用がかかることがほとんどです。
保険内でできるブリッジや入れ歯であれば、数万円ほどで対応できることもあるため、高額なインプラントは敷居が高いと感じてしまう方が多いのです。
◎歯に対する認識の違い
日本では「とりあえず噛めればいい」と考え、健康保険内でカバーできる治療を選択する人が多い傾向にあります。
また海外では日本のような保険制度がない国が多く、アメリカであれば収入に応じて加入できる保険が違うため、治療の選択幅が変わります。
入れ歯やブリッジも自由診療となるため実質、インプラントと値段があまり変わらないこともあるのです。
そのため、インプラントは隣の歯に負担がかかることなく、機能面でも審美面でも優れていることから、選択されるのも納得できます。
◎インプラント専門医が多くない
ブローネマルク博士がチタンと骨がしっかりと固定(結合)されることを発見し、1965年以降チタン製のインプラントが注目されるようになりました。
日本でチタンインプラント治療が本格的に開始されたのは1990年代の20世紀後半です。
したがってインプラントを専門とする歯科医師は21世紀になって増加してきたと考えられます。
また1978年頃、日本で使用されていたインプラントは現在のチタン製とは異なっていたため、ネガティブなイメージを持っている方も少なくありません。
そのような背景から、インプラント治療は日本でなかなか普及していないと考えられます。
■知って欲しいインプラント治療のメリット
日本での普及率が各国より低いインプラント。
歯科医師の専門性と専用の材料や設備が必要なため、どうしても治療費が高額になりがちですが、おすすめできるメリットもたくさんあります。
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長持ちする(セルフケアと定期的なメンテナンスにより、寿命は10年以上の場合も)
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天然歯と同じように噛める
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天然歯に近い見た目を再現できる
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隣の歯に負担がかからない
自身のセルフケアや治療後のメンテナンスを欠かすことなくしっかりケアしていれば、天然歯と同じような機能を長く保つことができますよ。
インプラントのメリット・デメリットについては以下の記事で詳しくご紹介しています。
あわせてご確認ください。
【インプラント治療で迷ったら、ご相談ください】
インプラント治療はまだまだ日本では普及率が低いですが、失った歯の治療として注目されているのも事実です。
専門性が必要な治療ではありますが、当院では信頼性のある世界四大メーカー「アストラテック社」のインプラントを使用しています。
インプラント治療において、不安なことや心配事があれば遠慮なく当院スタッフに相談してくださいね。