山脇歯科

審美歯科3

歯科医師をしていると、とてもよく聞かれることがあります。
「どこの歯医者さんがいいの?」「どこの歯医者さんが上手なの?」

確かに歯医者さんの腕の良し悪しは、将来おいしくご飯が食べられるかどうか、美しいお顔になれるかどうか、に直接関係します。
それを知りたいからこそ、みなさまは周りの人の口コミやインターネットで検索して、自分の大切な体を任せることのできる人を探すのです。

では私達歯科医師が自分や自分の大切な人の歯を治療してもらうときに、誰に自分の体を任せるでしょうか?どうやってその歯科医師の能力を判断するのでしょうか?

歯科医師の目で見て、他の歯科医師の仕事内容・その能力を推し量るのは、「写真・症例発表」以外にはありません。それ以外のものでは、本当のところはよくわからないのです。

しかし一般の方から見て、「写真・症例発表」はわかりにくいものです。
そこでできるだけわかりやすく実例を解説してみました。

また、単純に美しいと感じられるものには、奥行きのある中身があるものです。
そして機能に優れたものには、自然と美しさが備わります。
ここにある美しい写真が撮影されるためには、そこに至るまでに膨大な努力が必要でした。

以下の症例写真はすべて当院で行われた治療によるものです。歯科雑誌・メーカーのパンフレット・他院のホームページからの転載ではありません。

全ての金属を取り除き、透明感があり美しく高機能なオールセラミックで修復

この方は、詰め物が一つとれたことをきっかけに来院されました。

全ての金属を取り除き、透明感があり美しく高機能なオールセラミックで修復

もともと、とくに審美に興味があったご様子ではありませんでした。
ここで詳しい説明を聞いていただいて、審美性だけではなく、適合性や将来性、清潔さやアレルギーの可能性など、いろいろな面からご自分にとってのベストな治療を、ということで総合的、包括的な歯科治療を希望されました。

全ての金属を取り除き、透明感があり美しく高機能なオールセラミックで修復

全ての金属を取り除き、透明感があり美しく高機能なオールセラミックで修復

そうはいってもお口の中には金属がいっぱいです。中には黒く変色しているものもあり、歯との境目に隙間があいているものもあります。
やはり笑うときなどには気になっていたご様子でした。

最近よく耳にする「審美歯科」という言葉があります。
多くの方の誤解があるようですが、「審美歯科」というのはイコール歯を白くすることではありません。

「審美歯科」のもともとの起源は”esthetic dentistry”(エステティック デンティストリー)という言葉です。
この言葉は”esthetic & function”(審美と機能)という具合に対になって使われます。つまり、総合的な歯科治療のひとつの側面としての「美しさ」なのです。

機能的なことを考えずにただ歯を白くする、見せかけだけ形を変える、将来どうなるかということを考えていない、といった治療のことを、志ある歯科医師は侮蔑の意味を込めて”cosmetic dentistry”(コスメティック デンティストリー)、「美容歯科」と呼びます。

ここでは真の意味での「審美歯科治療」を目指しました。

包括的歯科治療のコンセプトに忠実に、正確な基礎資料をとり、数々の問題点をリストアップし、その原因を推測し、その原因を解消できて長期間にわたって健康と美しさを保つことのできる計画を立てます。

そこで考えられる要素は4つ、審美性、機能性、構造力学、生物学的恒常性、です。
これらすべての要素を、できるかぎり満たす歯科治療が、包括的歯科治療です。
それは、幸せで健康な生活を支える鍵になるかもしれません。

その中の1つが「審美歯科」にあたります。他の3つが欠けているならば、それは「美容歯科」でしかありません。その美しさは長続きしないでしょう。

そして治療計画の内容を打ち合わせによって確認し、基本的な歯周病治療、根管治療、咬合治療を行っていきます。
もちろんこの段階から少しずつ、プロビジョナルレストレーション(精密な仮歯)を調整し、最終形態を模索しながら磨き上げていきます。

オールセラミックス

オールセラミックス

オールセラミックス

オールセラミックス

プロビジョナルレストレーションの精密な調整が終了し、最終形態が確定した後に、慎重な歯肉圧排、高精度な印象採得を行い、オールセラミックスが完成しました。

写真が完成したオールセラミックスです。オールセラミックスの特徴である、メタルフリー、透明感と輝きがよくわかります。
素材はジルコニアです。非常に強度の高いオールセラミックスで、美しさと強さを兼ね備えています。

お口の中にオールセラミックスを装着したところ

お口の中にオールセラミックスを装着したところ

お口の中にオールセラミックスを装着したところ

お口の中にオールセラミックスを装着したところです。
全体的な印象が明るくなったことがわかります。
審美性だけではなく、咬み合わせ、強度、他の歯や歯ぐきとの親和性、多くの要素を総合的に考えた修復が完成しました。

before

治療前

after

治療後

治療前と治療後の比較です。

before

治療前

治療前

after

治療後

治療後

治療前と治療後の比較です。
左上の奥歯(向かって右)が1本ありませんが、この状態で10年近く歯の移動がないことを確認しており、その奥の歯が少し前に平行にずれていることによって現在の咬み合わせは安定していると判断しています。理想的には、矯正治療によって歯を後に移動して、スペースをつくったところにインプラントですが、今回は治療期間の関係もあり、採用されませんでした。

治療が終わった後の、満足そうな微笑みが印象にのこっています。

診断用ワックスアップ、プロビジョナルレストレーション、そしてセラミックスによる審美と機能の調和

この方は、他院にて治療している左下の歯がどうしても治らない、ということで相談にいらっしゃいました。
最初のお口の中の状態です。

診断用ワックスアップ、プロビジョナルレストレーション、そしてセラミックスによる審美と機能の調和

診断用ワックスアップ、プロビジョナルレストレーション、そしてセラミックスによる審美と機能の調和

診断用ワックスアップ、プロビジョナルレストレーション、そしてセラミックスによる審美と機能の調和後

左下(向かって右下)の奥から2番目の銀歯の横の歯ぐきに、にきびのような吹き出物が見えます。
これが痛みと腫れの原因です。根尖病変とよばれるものです。

X線写真

X線写真をみてみますと、歯の根の中に汚れが残っているため、細菌が繁殖して炎症を起こしています。歯が割れているところもあります。
黒く円形にみえるところは、骨が炎症の影響で吸収してなくなっています。

正確な根管治療が行われていれば、こういった状態になることは通常ありません。
歯が割れた原因としては、土台となる部分の作り方の不備や力のコントロールがなされていなかったことが考えられます。
どちらにしても、医原性疾患、医療側によって作り出された症状です。こういう方が数多くいらっしゃって、その多くの方がインプラントを勧められている現状は、歯科医療に携わるものとしては、つらいものがあります。

まずは痛みを取るために、緊急処置として冠を外し、根管治療を行いました。
症状が落ち着いたところで基礎資料を採得し、問題点を明らかにして、それぞれの問題点の原因を推定・診断し、複数の治療計画を立てました。

診断用ワックスアップ

診断用ワックスアップ

診断用ワックスアップ

治療計画を立てるための診断用ワックスアップです。
今回は理想的な治療計画の立案を希望されたので、最終形態を模索するために、ワックスアップを行っています。
このワックスアップを作成するにあたり、顎位、上顎中切歯切縁の位置を事前に精査しています。
ここから、奥歯の咬み合わせや修復物の形態の難しいポイントが、実際の治療を行う前に浮かび上がってきました。

今回はただ起きた症状を解消するだけでなく、将来も安心できるように、体へのダメージを最小限に、そして何よりも美しく、ということをテーマに治療していくことになりました。

包括的歯科治療の原則通り、咬合調整、プロビジョナルレストレーション(精密な仮歯)、歯周病治療、根管治療を行いました。ここまでは基礎的な治療ですが、非常に重要なステップです。

その後失われた歯質を回復するための、支台築造を行いました。

透明感のあるファイバーポストレジンコアを使用

透明感のあるファイバーポストレジンコアを使用

大臼歯など大きな力のかかる部位には信頼性の高い金合金を用い、審美性が重要で大きな力がかからないと判断した部位には透明感のあるファイバーポストレジンコアを使用しました。

初期のプロビジョナルレストレーション

初期のプロビジョナルレストレーション(精密な仮歯)の状態です。
多くの方はこの段階で「もう治ったのですか?」とお聞きになります。
一般の方からすれば、もう普通に食事もできるし、そんなに見た目もおかしくないし、これでよいのでは?と思われるのは当然のことかと思います。
しかし、専門家からみるならば、まったく不完全な状態ですし、咬み合わせは安定していないし、美しくもありません。
プロビジョナルレストレーションを煮詰めていかないほとんどの歯科治療は、このレベルでセラミックスを入れてしまいます。それでは長持ちするかどうかは運任せになってしまいます。

咬む面を見たところ

咬む面を見たところ

咬む面を見たところです。

咬み合わせが全体的にフラットで、顎の位置を安定させることができません。
このままの形では、全体的にこわれやすくなってしまいます。

前歯のクローズアップ

前歯のクローズアップです。
だいたいの位置から割り出した初期のプロビジョナルレストレーション(精密な仮歯)なので、まだ形が洗練されておらず、長すぎます。

オールセラミックスによるラミネートベニア修復

今回の治療のテーマは「将来も安心できるように、体へのダメージを最小限に、そして何よりも美しく」です。
そのため、前歯の歯質がしっかりと残っているところには、オールセラミックスによるラミネートベニア修復を行いました。

オールセラミックスは素材です。美しく、透明感にあふれ、永遠に色が変わらず、清潔な素材です。
ラミネートベニアとは方法です。歯を削る量を最小限にして薄いセラミックスを貼り付けるというものです。

写真から、左側(向かって右)の歯の削ってある量と、右側(向かって左)の歯の削ってある量がまったく違うのがわかります。
歯を削っている量が少ない方が、ラミネートベニアでの修復を予定しているところです。
歯と歯ぐきの境目が黒くみえているのは、印象採得のために歯肉圧排をしているからです。

完成したラミネートベニア

完成したラミネートベニア

完成したラミネートベニア

完成したラミネートベニア

完成したラミネートベニアです。色々な角度から撮影しています。
正面からみると普通のかぶせのようですが、横からみると、その薄さとまさに「貼り付けている」という感じがわかります。

よく例えとして、ネイルアート(付け爪)のようだといわれています。
歯を削る量が少ないため、お口の中全体の構造力学をよく考えた上で、可能かどうかを検討する必要があります。

ラミネートベニア

左側(向かって右側)にラミネートベニアを装着したところです。
右側(向かって左側)はプロビジョナルレストレーションです。
こうなるとはっきりと美しさの違いがわかります。

ラミネートベニア

そしてこの状態から、最終段階のプロビジョナルレストレーションを製作するために、型取りを行います。

最終段階のプロビジョナルレストレーションは、印象採得(型取り)をする材料も方法も最終修復物と同じもので行います。
歯肉圧排という丁寧な方法、シリコン印象材という高精度な材料を使います。
そうでなくては、最終的な完成度を高めることができません。

プロビジョナルレストレーションが装着

最終段階のプロビジョナルレストレーションが装着されたところです。

プロビジョナルレストレーションが装着されたところ

プロビジョナルレストレーションが装着されたところ

最終段階のプロビジョナルレストレーションが装着されたところです。

プロビジョナルレストレーションが装着されたところ

最終段階のプロビジョナルレストレーションが装着されたところです。
全体的な形、美しさ、咬み合わせの完成度が煮詰められ、信頼性の高いものになっています。

クロスマウントというテクニック

そして、その完成度が確認された後に、その最終段階のプロビジョナルレストレーションの形を最終修復物に写し取っていきます。
ここではクロスマウントというテクニックを使います。

咬み合わせを安定

さらに完成度を高めるために、一度素焼きで完成させた最終修復物をお口の中に入れ、微細な咬み合わせの補正(数μm単位)を行って、さらに咬み合わせを安定させていきます。

オクルーザルリマウントというテクニック

ここではブラックシリコンという非常に精密な素材で、オクルーザルリマウントというテクニックを使います。

セラミックス

セラミックス

最終調整とグレーズ(艶出し)を終えて、完成したセラミックスです。
かかる力、歯の形態、たわみ、曲げ強度、美しさ、見え方、色々な要素を考えて素材を使い分けています。
ジルコニアオールセラミックスとメタルセラミックスをその特徴に応じて使いわけています。これらの使い分けは、素材の特徴をよく考えて行うもので、高いから良い、というものではありません。

治療が完成した状態

治療が完成した状態です。

治療が完成した状態

治療が完成した状態

治療が完成した状態です。

治療が完成した状態

治療が完成した状態です。

包括的歯科治療によって、美しさ、咬み合わせ、堅牢さ、体との調和、そういった多くの要素をみたした完成度の高い修復を行うことができました。
これまでのステップのどれかが欠ければ、その分完成度は下がっていきます。
完成度が下がる、ということは長持ちしないかもしれないということです。

「長持ちする」ということは、お口のことで将来悩まなくてもすむ、ということにつながります。
何でもおいしくものを食べることができる。
笑うときに思いっきり笑える。
相手が聞き取れるかどうか気にせずに話すことができる。
そういった人生を送っていく上で、何気ないけれども、とても大切なことが人生から消えていくことがありません。

だからこそ私たちは「長持ちする」ということを、一つの重要な評価基準としています。
それは”Longevity”(永続性)と呼ばれ、すべての治療の最終目標となっています。

治療の前後を比較してみましょう。

before

治療前の状態

after

治療後の状態

before

治療前の状態

治療前の状態

after

治療後の状態

治療後の状態

before

治療前の状態

after

治療後の状態

とても美しく、快適な状態になっていただけました。
プロビジョナルレストレーションを繰り返し調整し、煮詰めたため、劇的に変化したというよりも、気づいたら変わっていた、という感じでした。
長期間にわたる治療になりましたし、体をさわることですから痛むこともあります。
それだけのことをご協力いただいて、将来のご自身の幸せな体験のために、全ての治療を任せていただけたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。

この治療が完成に至ったのは、この方ご自身の努力があったことと、この方が私たちを信頼してくださったからです。

本当にこの方のお役に立てたのかどうか、これからの長い時間が試されるときだと考えています。

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