山脇歯科

見えないところへのこだわり

歯科治療はその特徴として、「情報の非対称性」があります。

「情報」「評価」が一方通行なのです。

それは車の修理、家のリフォームに似ています。

本当に悪いのか?
本当によくなっているのか?
本当にきちんと治しているのか?
本当にそれが良いものなのか?

そういった大切な評価が、治療している側からでないと判断がつかない、
治療を受ける側からは、「情報」が得られない、治療そのものを「評価」できない、
ということが、実は一番の問題なのです。

そのため
「痛くない」
「早い」
「安い」
「雰囲気がいい」
「肩書きがすごい」
といったことなどから、きっと「良い」のだろうという基準で選ばれてしまいます。

つまり、
「便利」か「雰囲気」ということになりがちです。

そのため「便利」さや「雰囲気」よりも、
「本当に治るということ」
「本当に美しいということ」
「本来の歯科治療としての完成度」
を追及している歯科医師は、評価が低くなることがあります。

それは
「何を求められているのか?」
ということを理解しあえていない歯科医師の問題でもあります。

しかし、なによりも、
「本当に治るということはどういうことなのか?」
「本当に美しいということはどういうことなのか?」
「本来の歯科治療はどういうものなのか?」
ということを伝えてこなかったこと、伝えられなかったことに問題があるのではないでしょうか?

実際には、車の修理、家のリフォームと同じように、
手間がかかるけれども重要なこと、
基礎的なことだけれど重要なこと、
一見手を抜いてもわからないところ

そういったところが無数にあります。

そういった本当に大事なところだけれども、
見ることができない、
見ても何かよくわからない、
そういったところをできるだけわかるように表現してみました。

見えないところへこだわるということは、医療人に限らず、職業人、プロフェッショナルであるならば、誰もが持っていることだと思います。

詰めてしまえば、かぶせてしまえば、わからない。
そんなこと、きちんとやってもやらなくても変わらない。
相手は素人だから。
そううそぶく人もいます。

必ずわかります。
必ず変わります。
自分の体のことです。

けっして、患者サイドは「理解できない」人たちではありません。
消費者が賢いのと同じくらい「理解できる」人たちです。

そして皆様はそれぞれに何かのこだわりをお持ちのはずです。
仕事をしている方は、その仕事のどこかに自分のこだわりを。
家庭にあるとき、友人と接するときには、そのどこかにこだわりを。

そのこだわりにプロフェッショナルという名前がつくのかもしれません。

そういう方々のご参考になれば、と思います。

以下の症例写真はすべて当院で行われた治療によるものです。
歯科雑誌・メーカーのパンフレット・他院のホームページからの転載ではありません。

根管治療

根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

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根管治療

歯の治療の中で、大変重要でありながら、患者側からはよくわからない、という治療の代表のようなものです。

大きく進行してしまったむし歯の場合、「根管」、と呼ばれる歯の中の空間にある、神経・血管にまでダメージが進んでいることがあります。
さらに進行していれば、根の先の顎の骨の中にまで、そのダメージ、細菌の進行は進んでいます。

放っておくと、夜も眠れない、痛みどめもきかない、激しい痛みが出ることがあります。

そのような時には、「根管」、と呼ばれる歯の中の空間にある神経・血管、入り込んだ細菌を取り除いて、「根管」の中をできるだけ無菌に近い状態にする必要があります。

もともと、「根管」の中は無菌状態です。根管治療の理想は「根管」の中を無菌にすることです。実際には100%無菌の状態に戻すことは不可能なので、できるだけ無菌に近い状態を目指します。

そのためには、清潔な環境下で、「根管」の中の空間をできる限りきれいに掃除して、その空間にもう細菌が入り込まないように、完全に封鎖する、という治療が必要です。

「根管」の中をしっかりと治療するには時間も手間もかかり、少々不快なときもあります。

しかも諸外国に比べて、日本の保険制度では、根管治療は非常に低い評価しかされていません。

一番高額となるアメリカの専門医では大臼歯1本で総額¥80,000となることもありますし、東南アジアですら、日本の数倍の評価がされています。

日本では、根管1本につき消毒清掃だけなら1回¥100程度です。

国際的に標準とされる医療器具を使用すると、その材料費もでないのが実際のところです。

これは日本の保険制度が根管治療については、数十年前の基準のまま、何も変わっていないからです。

治療そのものは完成度をあげようとすれば難易度は高く、患者サイドからは時間・回数・不快症状が嫌がられ、しかもやればやるほど赤字、というのでは、どうしても「そこそこに」しておこう、という歯科医師も多くなります。

確かに「そこそこ」の根管治療でも、生涯何の問題も起こさない場合もありますし、数十年前はみんなそうだったのです。

しかし、問題を起こしたときには、夜も眠れない激痛と、何事かと思うような腫れ方をします。
このとき、痛みどめは効きません。
ちょうど昔の漫画のような、腫れた顎に包帯をした、むし歯の腫れた図になります。
結果、膿を切って出さなくてはならなくなったり、歯そのものを抜かなくてはならなくなったりします。

歯科医師からすれば、痛くないだけ、早いだけ、の治療というのは、むしろ簡単なことです。
あまり悪いところを触らないで、今の症状を抑えるだけにすればいいからです。
そのような治療は、将来にもっと悪くなることが目に見えています。

そして何年か置きの繰り返しの治療が始まって、そのうち歯がなくなり、インプラントを勧められ、定期的な顧客として歓迎されます。

一番奇妙なことは、当の歯科医師は「患者様のため、痛くなく、早く」という善意からこの一連の行為を続けているということ、当の患者側も「痛くなく、早くしてくれた」と感謝していることです。

けしてその「痛くなく、早く」ということは間違っておりませんし、何よりも大切な点であると思います。
ただし、それは医療行為としてのベストが尽くされたということが前提のように思います。
もしくは、将来悪くなることの可能性についての説明と同意が得られれば、それはそれで立派な治療方針の選択です。

というわけで、やはり「そこそこ」の根管治療は、何かが間違っているような気がします。

私の恩師は決して根管治療に手を抜きませんでした。
ですので私も手を抜きません。

図1 治療前 上顎第一大臼歯

図1 治療前 上顎第一大臼歯

図2 治療後 上顎第一大臼歯

図2 治療後 上顎第一大臼歯

図1は、これは大きなむし歯で神経・血管を取らなくてはならなかった症例です。
図2では、根管内部が完全に清掃され、根管の先まで完全に薬剤が充填されているのが確認できます。上顎第一大臼歯は通常3根管ですが、この症例では4根管存在しました。その全てに薬剤が充填されています。

図3 治療後 下顎第二大臼歯

図3 治療後 下顎第二大臼歯

図3では、下顎第二大臼歯の湾曲した太さの異なる根管に完全に薬剤が充填されています。

図4 治療前 上顎第一小臼歯

図4 治療前 上顎第一小臼歯

図5 治療後 上顎第一小臼歯

図5 治療後 上顎第一小臼歯

図6 治療後1年経過 上顎第一小臼歯

図6 治療後1年経過 上顎第一小臼歯

図4では、むし歯が存在しないのに、歯の中の神経・血管が壊死してしまっています。
この症例は大変強い歯ぎしりによって、歯が「ジグリングフォース」という独楽(こま)が倒れる直前のような動きをして、その結果、根の先にある根の中と顎の骨を結んでいる血管が切れて、歯の中の神経・血管が壊死しています。

図5にて、壊死した神経・血管が根管の先まで完全に取り除かれ、根管の先まで完全に薬剤が充填されました。
根の先の骨は大きく吸収されたままで、今にも歯が抜け落ちそうです。

図6はその1年後です。根の先の吸収してしまった骨が再生しています。

この症例からは、根管治療というものが正確に行われた場合の効果と、咬み合わせ・歯ぎしりというものの重要性をともに学ぶことができました。

ルートプレーニング

ルートプレーニング

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ルートプレーニング

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ルートプレーニング

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ルートプレーニング

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ルートプレーニング

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ルートプレーニング

いわゆる歯石とり、と呼ばれるものです。

ですが、この歯石とり、実は非常に奥が深く、これを専門にする歯科衛生士にとっては、すでに一つの「道」ですらあります。

そもそも何故歯石をとらなくてはならないのか?といいますと、歯石がついていると歯周病が進むからです。

歯のまわりについた、自分では落しきれない汚れの中にある細菌が、歯ぐきに炎症をおこします。
その結果、歯ぐきの中にある、歯を支えている骨、歯槽骨が吸収、溶けていくのです。

そういったことを防ぐために、早め早めに歯石をとります。

簡単そうに思われがちですが、これは歯周病治療のほとんど半分といってもよく(残りの半分は歯みがきです)、これの良否が歯周病治療の良否に直結します。

この歯石とりですが、その歯石のつく場所によって、難易度が大きく変わります。

歯ぐきの上、見えるところで、歯冠の表面のつるつるしたところに付着した歯石はとても簡単にとることができます。
これは便宜上「スケーリング」と呼ばれています。お魚の鱗を包丁の背中ではぎとる行為と同じ名前です。

これが歯ぐきの下、見えないところで、歯根のざらざらしたところに歯石がついていると、それをとるのはかなり難しくなります。

それも歯周ポケットが深いところ、歯の根の形が凹んで複雑になっているところ、歯同士が密集していたり、形の悪い修復物が入っていたりすると、難易度はさらにあがります。

歯ぐきの下についた歯石をとることを、便宜上「ルートプレーニング」と呼んでいます。SRPとも呼びます。根の表面をきれいに滑らかにする、という意味です。そう簡単にとれない上に、かぎりなく完全にきれいにしないと治りが悪い。しかし根の表面はデリケートなもので、きれいにしようとあまり器具で触ると傷がついてしまって治りが悪い、という難しいものです。

そのため、この歯石をとる、という一見簡単そうに見えながら、実に奥の深い技術の向上のために、歯科衛生士は繰り返しセミナーに通い、講師の先生に叱咤激励され、日々修練するのです。

良い歯科衛生士にめぐりあった方は、幸せです。

治療前

治療前

治療後

治療後

治療前には、歯の根の横側に、ごそごそした汚れ、歯石がたくさんみられます。

治療後は、これらの汚れ・歯石がとりのぞかれ、歯の根本来の表面がスムーズに映し出されています。
かなり歯周病が進行していますので、これからの繰り返しの定期健診が、歯を残していくにはとても大切になります。

外科処置

歯科には必ずつきものの、外科処置です。

患者さんからすれば避けて通りたいものの代表でしょう。
しかし、上手に行えば非常に良い治療結果が得られます。

逆に、必要なときに必要な外科処置を行わなければ、本来治るはずのものも治らなくなります。

歯科における外科処置の代表的なものとしては、歯周病治療のための歯周外科処置や、より大きな範囲の病変を扱う口腔外科と呼ばれる外科処置があります。

長い歴史を持ち、科学的根拠を十分に満たす、数多くの研究者が文献で発表してきた、様々な外科処置が、数えきれないほど存在します。

それらの外科処置には難易度の低いものから高いものまで、様々な術式があります。

これらのものを難易度の低いものから少しずつ高いものへ向かって習得することを、
"Learning stage"(ラーニングステージ)を進むと表現します。
難易度の低い術式のできない歯科医師は、難易度の高い術式にいきなり進むべきではないし、もし行っても正確に行うことはできません。

ラーニングステージを確実に進んで、外科処置に習熟した歯科医師による外科処置は、美しく、正確で、治りも早くきれいになります。

術式が同じでも、外科処置に習熟していない歯科医師による外科処置は、逆に醜く、不正確で、治りも遅く、目的の治癒結果が得られないこともあります。

歯科治療はすべてそうですが、外科処置はとりわけ歯科医師の技量が直接反映されます。

外科処置の基本は正確な切開・剥離・縫合と、解剖学の熟知です。
これはすべての外科処置に共通です。そして外科が始まって以来、変わることがありません。

また、外科処置は毎月新しい術式が考案されるほどに進歩の早い領域でもあります。

日進月歩の外科処置の進歩に追い付くために、常に研鑽に努め、基本通りの正確な手技をいつも心がけています。

ケース1

このケースでは歯ぐきのラインがあまりにも不揃いであるのを、外科処置で骨のレベルを整えてからセラミックスを装着しました。 歯ぐきのラインが整ったので、全体のバランスを美しくすることができました。

外科処置

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外科処置

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外科処置

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外科処置

ケース2

このケースでは、歯と歯の間に隙間があいてしまい、黒い空間(ブラックトライアングル)ができてしまっています。
この空間を満たす歯肉のことを歯間乳頭と呼びます。歯間乳頭の再建術は、歯周外科の中でもっとも難しいものです。
結合組織移植(CTG)を行い、歯間乳頭を再建しました。
ブラックトライアングルを最小にして、美しい歯肉のラインを回復しました。
あわせてセラミックス周囲の歯ぐきのボリュームを増やして将来の歯肉退縮を予防しています。

外科処置

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外科処置

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外科処置

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外科処置

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ルートプレーニング

歯肉圧排(しにくあっぱい)

歯肉圧排(しにくあっぱい)

歯と歯ぐきの間の溝(サルカス)に糸を入れます。

歯ぐきに近いところ・歯ぐきの下になるところを削るときに歯ぐきを保護する。
印象採得(型を取る)時に、完全なマージン(境目)を示す。
マージン(境目)だけではなく、歯根の形もわかるため、確実な歯の豊隆が表現できる。
歯ぐきの下にセメントが入り込んでは困るときに、入り込むの防ぐ。

といったことなどのために行われます。

歯肉圧排なしで、歯ぐきに近いところの本来の形成(削ること)はできません。
歯肉が傷ついてしまうからです。
傷ついた歯肉は変形を起こします。

歯肉圧排なしで、歯ぐきに接するところの本来の印象採得(型取り)はできません。歯肉圧排なしのときは、模型になったときに、歯科技工士が想像でマージン(境目)やカントゥア(豊隆)を作っています。
しかし良いのか悪いのか、優秀な技工士はこれを実にうまくこなします。

将来、光で型取りができるようになっても、これはなくならないだろうといわれています。

歯と歯肉、歯肉と歯槽骨、歯根と歯根の距離や対象となる歯の数により、その本数、太さ、巻き方、などが変わります。
単純に1本の歯についても、5通りの分類があります。
巻く方向、入れる方向、外す方向、濡らすタイミング、乾かすタイミングなど、背景となる理論も含めると、これだけで、1冊の本になります。

この症例では、歯肉圧排によって歯肉が保護され、表面が鏡面に近い、美しい形成がなされています。

形成(形を整える)

歯の形を、修復物がきれいに入るように形を整えることです。

形成前

形成前

形成後

形成後

形成が美しく機能的であるならば、修復物も美しく機能的につくることができます。

そうでないならば、どこかいびつであったり、それなりのものができるでしょう。

この症例は、歯肉圧排し、形を整えた後に、プロビジョナルレストレーションを調整しました。
全周がスムーズな1本のラインで形作られ、表面は鏡のように加工されています。

余談ですが、私の師は皆、形成の名手でした。
歯科医師になりたてのとき、美しいものを見せていただき、仕事の基準として教えていただいたことに今でも感謝しています。
そしてまた、最高のものをみせていただいた方々には、日々尊敬を新たにしています。

マージン(境目)

マージン(境目)

本来の歯の表面と、修復物を入れるために削ったところの境目です。

これが一本の滑らかな線で形作られ、印象採得(型取り)をしたときにはっきりと見えることが重要です。

歯肉に近いところでは、必ず歯肉圧排が必要となります。

マージン(境目)

この症例は、歯肉圧排(ダブルコードテクニック)によって歯と歯肉との間を広げた後に、1本糸を外して、歯と歯肉の間に隙間をつくっています。隙間の底にもう1本黒い糸が見えます。

この隙間に印象材(型取りの材料)が流れこみ、正確なマージン(境目)とカントゥア(豊隆)が記録できます。

この隙間が記録されていない場合(歯肉圧排がない場合)、歯科技工士はこれを想像で作りあげなくてはなりません。

マージン(境目)

拡大したところです。

本来歯の根の表面は丸くもなく、鏡のようでもなく、不規則で細かいパターンでできています。
これを想像で作りあげるのは、至難の技です。

このように、拡大と検証に耐えることのできる、日々の臨床を積み重ねています。

印象採得(型取り)

マージン(境目)

歯の型を取ることです。

正確に写し取ることが重要です。
それには、全体としての精度、細部の再現をともに高めていく必要があります。

そのためには、炎症のコントロール、正確な歯肉圧排、形成、プロビジョナルレストレーションがまず必要です。

その上で、適切な印象材の選択、複数の印象材を同時に使用する方法、印象シリンジの動かし方、印象トレーの動かし方、ダイ・マスターといった複数の印象から作られる模型の組み合わせ方、歯牙の印象と粘膜の印象の組み合わせ方、など正確な印象採得には数多くのポイントがあります。

この症例では、歯肉圧排によってできた隙間に印象材が流れ込み、歯根の表面の印象まで取れています。

このような印象採得が行われれば、精度は格段に上がります。

咬合採得

「咬み合わせをとる」といわれるものです。

上下の型取りをして、上下の顎の模型ができたとしても、

咬合採得

咬合採得

今度はその二つを組み合わせないと、お口の中は再現できません。

咬合採得

しかも正確に組み合わせないと、お口の中に修復物を入れたときに、きれいに咬み合いません。

咬み合わないからといって、ばりばり削って高さを合わせたのでは、せっかく慎重に考えられた咬み合わせが台無しになりますし、セラミックスの内部に細かい亀裂が入り、将来の破損の原因にもなります。

ほとんど無調整で装着できれば、複数の三点支持と顎の運動に調和した修復物は、その本来の機能と美しさを現します。

咬合採得

そこで、上下の顎のお互いの位置を、限りなく正確に記録したものが必要になるのです。

まず素材についてです。

一般的にはワックスが使われますが、あまり正確ではありません。

咬合採得

そのため、より正確な記録が必要なときはシリコンが使われます。

当院では、状態に合わせて4つのシリコン咬合採得材を使い分けています。
それぞれに特徴があり、同じではありません。

咬合採得

咬合採得

咬合採得

咬合採得

咬合採得

そして方法についてです。

実は「咬み合わせをとる」というのは、「型取りをする」ということと同じく、とても奥の深い処置になります。

「咬合」というものは、歯科の中心領域であり、「咬合学」というのは「歯科学」」の中で、とても大きな領域を占めています。

咬合採得

咬合採得

歯科が外科や内科等の医科と独立して扱われるほど違うのは、この「咬合」「修復」があるからだといってもよいくらいです。

まず、正確な咬み合わせが取れる状態なのかどうかを調べます。
正確な咬み合わせを取るためには、その前の準備の段階で、すでに成功するかどうかが決まっています。

筋肉の状態、関節の状態、歯の状態、歯並びの状態、それらを統合する神経系、それぞれが無理なく調和していることが、正確な咬み合わせを取るためには必要になります。
言い換えれば、咬み合わせを取る前に、これらが調和している状態を作り出し、確認しておかなくてはなりません。

咬合採得

咬合採得

そのためには、「咬み合わせとは何か?」という咬合学の厖大な学問的な体系があり、今なお研究が続けられています。

咬合採得

当院では、そういった咬合学の歴史を踏まえ、最も確実な咬合採得の手順を用いています。

咬合分析、アクアライザー(ウォータースプリント)、スプリント、咬合調整、プロビジョナルレストレーション、といった手順・装置を使用します。

とりわけプロビジョナルレストレーションの調整と咬合採得への活用は、最も重要なステップです。

咬合採得

これらは最もスタンダードで、手間も掛かります。しかし、これら以上に信頼性の高い方法はありません。
一見単純で古い方法に見えますが、非常に学問的に豊かな、奥の深い世界です。

より簡略化された手順で済ませることや、術者が無理矢理誘導して咬み合わせを決めてしまうことを勧める歯科医師もいます。
そのような手順を踏んだ場合、当初は問題なくても、長期的には本来の顎の位置と人工的に作られた顎の位置との不調和や、全体の力のバランスの狂いや、相互の干渉などから、色々なトラブルに見舞われます。
具体的には、頻繁に修復物が壊れる、修復物の周囲が頻繁にむし歯になる、何も問題ないのにしみたり違和感がある、どれだけがんばっても歯周病が治らない、顎の調子がおかしい、などです。

複雑な装置とコンピューターを使って、顎の動きを分析する機器もあります。

咬み合わせを分析するのに有効ですが、これを使っても上下の模型を組み合わせるための「咬み合わせ記録」を取ることはできません。
可能、という機器も発売されていますが、その信頼性はあまり高いものではありません。

1世紀以上の年月をかけて先人が築き上げ、磨き上げられた「咬合採得」の理論・術技は、大変に複雑で、精緻なものです。

咬合採得

それだけに、真摯に実行すれば、すばらしい結果が得られます。

「咬合採得・咬み合わせを取る」ということは、通常まったく注目をあびることがありません。

インプラントやセラミックスに注目は集まるばかりです。

しかし、高い精度の「咬合採得・咬み合わせを取る」ことができなければ、インプラントも審美も本当の意味で成功することはありません。

「咬合採得」の精度を上げることは、歯科医師の生涯にわたる課題の一つです。私も日々努力しています。

咬合調整

咬み合わせ全般を調整することを、咬合調整といいます。

調整するためには、現在の状態を正しく診断し、目指す咬み合わせの目標と手順とを明確にしておかなくてはなりません。

筋肉の状態、関節の状態、歯の状態、歯並びの状態、それらを統合する神経系、それぞれの状態と統一された機能。これらが調和しているのか、それとも不調和なところがあるのか。

咬合調整

咬合調整

咬合調整

必要なこと、不必要なこと。可能なこと、不可能なこと。

そのためには、先ほどの「咬合学」の深い理解が必要です。
その理解の深さの程度によって、診断できる深さが変わってきます。

咬合調整

「咬合」の大家の診断は、芸術的な美しさを感じるほどです。

実際の咬合調整の手順は、治療期間を通じての咬み合わせの確認と微調整がほとんどです。
場合によっては咬み合わせの大きな変更が必要な場合もありますが、その場合の手順と基準はとても厳密に決まっています。

咬合調整

咬合学の歴史を踏まえた最も確実な咬合採得の手順は、そのまま咬合調整の手順でもあります。

咬合分析、アクアライザー(ウォータースプリント)、スプリント、咬合調整、プロビジョナルレストレーション、といった手順・装置の使用です。

やはりプロビジョナルレストレーションの調整は、咬合調整においても最も重要なステップです。

そして最終修復物をお口の中に入れるときに、微妙な調整が必要になります。

印象採得、咬合採得が完璧にできていれば、理論的にはここで調整は必要ありません。しかし、これらの作業は誤差がでることを前提に理論が組み立てられています。そのため、多少の調整は必要となります。
もちろん目標は調整ゼロです。確実なステップを踏むことができれば、実現することができます。

咬合調整

使われる材料は、薄いフィルム(10μm程度の厚み)と流れのとてもよいシリコン(ブラックシリコン)です。

咬合調整

咬合調整

咬合調整

単純な材料ですが、本当の意味で使いこなすことは、容易ではありません。

どこの歯科医院でも使われる厚いフィルム(30~40μm程度の厚み)だけでは、最終調整としての精度は低くなります。

咬合調整は、咬合採得より広い意味で、咬み合わせをつくりあげていくものです。
これからも咬合学の研鑽に努め、よりよい咬合調整を追求していきます。

セメントの選択

セメントの選択

詰め物・かぶせなどの修復物をお口の中に入れるときに、セメントを使って修復物を歯にくっつけます(接着・合着といいます)。

歯科治療の中で、このセメンテーションは、その治療の将来性に大きく関係します。

セメンテーションが適切に行われれば、その修復物は長持ちし、歯ぐきに対しても清潔さを保つことができます。
セメンテーションのレベルが低ければ、その修復物は短期間で問題を起こし、歯ぐきの炎症の原因にもなります。

ここではその素材の性能とその使い分けがポイントになります。

このセメントの素材ですが、実は種類が何十種類もあり、価格も性能も上と下では、大きな開きがあります。

性能の高い最新鋭のものでは1キット数万円のものがあり、古いタイプのものでは戦前からいまだに使われている1キット1000円台のものがあります。

セメントの選択

セメントの選択

どういったセメントを使うかは、歯科医師の考え方によります。
性能を重視するならば、最新鋭の高価なセメントを使うでしょうし、コストを重視するならば、古いタイプの低価格なものを使うでしょう。

当院では、素材については、できる限り高性能のセメントを使用することを心掛けています。

そして使い分けについては、無理にチャレンジしてリスクを増やさないこと、確実で信頼性の高い方法によってリスクを減らすことを目指しています。

メタルを使用した修復物にはモディファイドグラスアイオノマーと呼ばれるセメントを使います。メタルを使用しないセラミックスについては接着性レジンセメントを使います。

セメントの選択

セメントの選択

また、最新鋭の高価なセメントも、それぞれに効果的な使い方があり、ケースごとに使いわけが必要です。

例えば現時点ではもっとも進化したセメントである接着性レジンセメントでは、お口の中のどの部分に使うのか、どの程度の透明さと不透明さが必要なのか、修復物の素材や色や形はどうなっているのか、余剰セメントが除去できるのか、セメントによる色の補正が必要なのか可能なのか、水分のコントロールが可能なのか、といった数多くのポイントを踏まえて、どの製品を使うかを決めていきます。

これらのことを考えていくと、接着性レジンセメントというのは大変に難しい一面があり、いつでもどこでも誰にでも使えるというものではないように思います。

セメンテーションは日々進化している分野です。
当院でも常に最新鋭で、かつ信頼性の高いセメンテーションを目指していきたいと考えています。

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